科学がそれほど発達していなかった中世の時代、迷信や、説明のつかない不思議な現象を信じる人が数多く存在した。中世の年代記、奇跡の物語、ロマンス文学に出てくるそんな超自然(スーパーナチュラル)の多くは現代でもまだ生き続けている。幽霊、狼男、悪魔、吸血鬼、妖精、魔女など、現代なら架空のものだとわかるが、中世の人たちの多くは本気で信じていただろう。キリスト教の神学者たちは超自然の存在を認め、「堕天使」として分類した。彼らにとっての堕天使とは、神と絶え間なく対立を続ける者どもであり、人間の世界をもその戦いの場とみなす存在だった。また、強大な力 […]